2016年12月8日木曜日

書簡集 12

 ふだんどれくらいの頻度で空を見上げるだろうか。長い道の向こう、ビルのすこし上にある空に、ふと目をやることは少なくはないかもしれない。だが、頭から、首から、腰から、ここの、この真上にある空を見上げることは、詩人風の人であってもそうは多くあるまい。

 きょう空の高さを改めて知った。どこかに見える空は決して高くない。それはもはや景色としての空であって、背景としての空にほかならない。君は空の高さを知っているだろうか。いま、ここから見上げられたこの空はとても高い。写真に写る空でもなく、どこかに見える空でもない。ただ、この真上にある空だけが高い。
 単純に比較対象の観点から語るならば、田舎の空よりも都会の空のほうが高いかもしれない。都会では、私を数十倍、数百倍した高さの建物よりも、比較を絶するほど空は高い。驚くべき高さである。ときおりこのように常識を思い出しては驚いている。

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