2015年6月3日水曜日

書簡集 6

 六月三日

 曇りがちな日々が続いていたが、きょうは雲の切れ間から光が差してくるのを見た。花は花の色を、果実は果実の色を、木は木の色を取り戻した。私には少し物足りない。埃の積もった石造りの部屋で、窓から真昼の曇り空の明かりを取り込んで、遠くでふりつけているであろう雨の音を想像するのが良かったのだが。それもしかたあるまい、変転するのは世の常であるのだから。

 近頃はあじさいが良く咲いている。私は青いのが好きだ。雨にも晴れにもよく似合う。もちろん曇りにも。一輪切り取って、煤けた部屋にでも飾りたい。しかしあじさいもいずれ萎れてしまう。あの姿は好きにはなれない。

 あまり体調がよくなくて、取り留めもないことを書いてしまった。取り留めもないことを。